陸屋根は雨漏りに弱い?よくある原因・対策のまとめ
近年、デザイン的な人気もあり一般住宅でも使われることが増えてきたフラットな形が特徴的な陸屋根ですが、その特徴的な形状ゆえに「雨漏りに弱いのではないか」と思われる方も少なくありません。
今回は、陸屋根のお宅に住んでいる方から陸屋根のことを知らない方までを対象に、
●陸屋根の特徴
●陸屋根から雨漏りする原因
●陸屋根で雨漏りしないための対策
について解説しますので、ぜひご一読ください。
陸屋根の特徴
陸屋根(りくやね・ろくやね)とは、皆さんが「家」を思い浮かべる時に想像する「三角屋根の建物」ではなく、勾配のない平面な形状の屋根を指します。
ここでは、陸屋根の特徴について解説しますので、すでにご存じの方もそうでない方もご覧ください。
屋上を有効活用できる
一般的な傾斜のある屋根と違い、陸屋根であればビルの屋上のようにスペースとして使うことが可能です。
たとえば、洗濯物を干すスペースやガーデニング、バーベキュー、水遊び、太陽光パネルを設置などさまざまな使い方ができます。
メンテナンスが容易
上記のように簡単に出入りすることが可能であり、傾斜のある屋根と違い落下の危険性も少ないため、なにかトラブルがあっても補修工事を行う際に必要な外回りの足場設置が不要です。
足場設置は建物の大きさにもよりますが、15万円から40万円ほどかかるため節約にもつながります。
また、日常的な手入れの面でも危険性が少ないため、簡単な掃除や補修であれば一般の方でも自ら行えます。
居住空間の確保
陸屋根の場合、屋根裏の確保が必要ないため、同じ高さの建物でも室内の空間を広く取ることが可能です。
室内の天井が高くなることで、開放感が生まれ空気の流れも良くなります。
陸屋根から雨漏りする原因
デザイン性・機能性・利便性に優れた陸屋根ですが、デメリットももちろんあります。
ここでは、陸屋根が雨漏りしやすいと巷でいわれる原因について解説しますので、ご一読ください。
水はけが悪い
陸屋根の最大のメリットであるフラットな形状が、最大のデメリットが「水はけの悪さ」です。
雨や雪が降った際、傾斜のある屋根であれば自然に地面へと流れ落ちますが、フラットな形状の陸屋根ではそのまま屋根の上に溜まってしまいます。
もちろん、排水口など設けられているので、「溜まったまま」というわけではありませんが、築年数が経過しているお宅の場合、排水口にゴミが詰まり排水不良が起きてしまうと水はけが悪くなってしまうことがあります。
この状態が続くと、雨水が陸屋根の防水材を侵し雨漏り被害へと発展してしまう可能性が高くなってしまうので要注意です。
メンテナンス頻度が高い
陸屋根を雨漏りから守るために施されている防水加工は、一般的な瓦やスレート屋根に比べて耐用年数が短く、メンテナンスの頻度も多いです。
スレート屋根の防水寿命が平均して20年から30年であるのに対して、陸屋根の防水寿命は10年から20年となります。
前述のとおり、排水口にゴミが詰まると排水不良に繋がりやすいので、日ごろのメンテナンスも欠かせません。
陸屋根で雨漏りしないための対策
ここまで陸屋根のメリットとデメリットをお伝えしました。
陸屋根で雨漏り被害を発生させないためにも、日ごろからのメンテナンスは欠かせません。
ここでは、一般の方でも簡単に行うことができる対策方法について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
排水口の清掃
排水口に砂や木の枝が溜まっていたり、コケが生えていたりすると、排水不良を起こしかねません、
そうならないように、定期的に排水口廻りの清掃をするようにしましょう。
風の強い日の翌日や黄砂注意報が出ている時は、特にきちんと清掃するようにしてください。
雑草やコケを除去する
築年数が経過したお宅の陸屋根の場合、隅に短い雑草やコケが生えてしまっていることがあります。
こうした植物は、陸屋根の防水シートの劣化を加速させることがあるので、除去するようにしましょう。
防水シートに剥がれやひび割れがないかチェックしよう
陸屋根の防水シートが劣化してくると、隅が剥がれたり、小さなひび割れが生じることがあります。
こうした部分から雨水が侵入し、雨漏りへと繋がってしまうので、耐用年数以内であっても定期的にチェックするようにしましょう。